田村憲孝の日記

完全日記ブログ。

なぜ数をこなすことが重要なのか

圧倒的な数をこなしなさいと言うと「数をやってるだけでは成果や実力に繋がらないので意味がない。そんなのは単なる機械じゃないのか。なぜ数をやるのか納得できる説明がなければやりたくない。」というお声を頂くことがなんだか最近増えてまいりまして。

 

勘違いしないでほしいのですが、私も単に数だけをこなすことが実力に結びつくなどと考えて「数やれ」と伝えているわけではありません。そんなことは言われなくても重々承知です。

「数をやりなさい」というのは「単に大量のタスクをこなせるようになりなさい」ということを意図しているのではありません。量をこなすことによってあらゆる副産物が生まれ本人の糧となることを、自分の体験や後輩・部下の動きを見てきて確信を持っているからそう伝えているのです。


ここでは「大量のタスクをこなすと本人の中にどういう変化が起こるのか」を書いておきます。

 

たとえば、営業として新人くんが入社したとします。その新人くんに「ウチの商品を買ってくれそうな人をテレアポで探してみて」と指示したとします。

ここで新人くんが「ほとんど成果に結びつかないテレアポをやる意味がわかりません。やる理由を教えてください。」と言ってテレアポに着手しなかったらスキルアップもクソもないですね。彼は新人空っぽスキルのままそのあとしばらく過ごすことになります。

 

一方「わからないけどとにかくやってみよう」と取り組んでみると、いろいろなことに気づきます。たとえば

 

・すごく良い自社商品だと思っていたが、無差別に声をかけてもほとんど買う人などいない(なのでどうしたらいいのか考える)。


・どういう人にコールしたら反応してくれるようになるんだろうと自然に工夫するようになる。


・「株式会社○○のタムラと申します」と冒頭に言うとまったく会話が続かないが、「○○エリアでお勤めの方にお得な情報を、2分でお伝えしております!」というと、ちょっとだけ会話が続く確率が上がると気づく。


・あきらかに興味が無い人に粘って話すよりも、少しでも興味を持ってくれる人に丁寧に説明するほうが最終的に獲得できるアポイント数は多くなることがわかる。


・1時間延々とコールしつづけるよりも、30分に1回ぐらい休憩を挟むとトークの調子がいいのでそうする。

 

さらにもうちょっとできるようになると、こんなことも考えるようになります。

 

・いい感じで話ができたのに次のコンタクトまで進めない時は何を工夫したらいいのだろう。


・最終的にお会いして成約してもらうために、電話では何を伝えておいたら良いのだろう。


・電話では好感触だったのに実際にお会いするとそんなに興味が無いことが増えてきた。見分ける方法は無いかな?

とかです。

 

営業として「商品を売る」という目的があり、その目的に向かっての手段として「テレアポ」があるわけです。テレアポという目の前の行動を最終目的に近づけさせるためにはどうしたらいいのかを、数をこなしている内に自然と考えるようなり工夫し効率化するようになるのです。

 

昔なつかしい「テレアポ」というものを題材にここまで書いてきましたが、ここが何に変わってもまったく同じです。

今なら「ブログ」とか「SNS運用」とかも当然当てはまります。どうやったらSNSで話題になるブログが書けるのか、どうSNSを運用したら多くの人に認知してもらえるようになるのか、などなど、圧倒的大量の行動の中から気づくことがたくさんでてきます。成果がでないとしてもどうやったら改善するのかを自分で考えるようになります。

 

目的を持って大量のタスクに対峙すると、いかに目的を達成することが難しいかを体感することになります。そして、どうしたら目的に近づけるのかを自分ごととして考えるようになるのです。


ただ、残念ながら「なぜ数をやるのか納得できる説明がなければやりたくない。」と言われたあとに上記のような説明しても、相手がやる気になったり成功したりしたことはありません。

 

なので最近はいちいち説明することはなくなりました。やらんならやらんでいいや、と。まあ僕の説明が下手くそだからなんですけど。

 

「数をこなせ」という根拠だけここにおいておきます。よかったらどうぞ。